毎日同じ風景で作業をしている方にオススメ(自分)。今回は「STEAM VR」+「VirtualDesktop」をつかって、VRゲームだけではなくゲーム、映画鑑賞等々を、安価に導入できるスマホをつかったヘッドマウントディスプレイを使って操作する方法を紹介したいと思います。
SteamLinkの導入方法は下記で記事にしています。
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VR(仮想現実)とAR(拡張現実)
VR (仮想現実) は、作られた環境を再現したものです。たとえばファンタジーの世界や戦場など現実にはない作られた世界を再現しユーザーにそこにいるような体験をさせるものです。一方AR (拡張現実)は、現実世界をベースにして拡張されたモノで、例えば移動中にGoogleマップを参照したりして現実世界にプラスすることを目的としています。
今回記事にする 「ヘッドマウントディスプレイ でPCを操作する」というのはどちらかというと拡張現実の方に近い感じに、VR対応ゲームをプレイするのは仮想現実に近い感じになります。
仕組みとセットアップに必要なもの
仕組み的には、PC上でアプリケーションを動かして、両眼用に分割させた映像をスマホに配信する形です。PCとスマホはWi-FiまたはUSBで接続します。
PC
PCはある程度のスペックのものである必要はあります。特にグラフィックボードはある程度スペックのものが必要です。
スマートフォン
スマホも比較的新しいものあれば問題ないです。ただスペックが低いものだと処理落ちします。(わたしはiPhone8で問題なかったです。iPhone6だと画像が乱れたりカクツキがありました)Android、iPhoneどちらでもOK。
VRゴーグル
スマホを固定するVRゴーグルはスマホの形状などに合わせたものを(スマホにケースをつけている場合は干渉しないもの)用意します。PCを操作する必要上、両手を自由に動かせるようにするために頭に固定するものがいいです。
ソフトウェア
Riftcat(PC)
簡単に言えば両眼用に画面を分割して、スマホにストリーミングさせるソフトです。スマホ側の「 VRidge 」連動して配信出来るようになります。ソフトウェアは下記の公式URLからダウンロードします。
https://riftcat.com/vridge
無料版・有料版(買い取り)があります。無料版は使用10分間で切断されます(アカウント登録していない場合は5分。アカウント登録すれば+5分)有料版、バンドル版の購入金額については公式のページから確認を。レートによって変わる場合があります。
※ HPから直接金額を確認したときは「ユーロ」表記でしたが、 Riftcat から直接ログインしたときは「ドル」表記でした。表記間違いだと思いますが、購入時は確認ください。ちなみに購入はドル換算で引き落とされていました。支払いは「PayPal」のみなので 「PayPal」 のアカウントが無い場合はあらかじめ登録が必要です。
Riftcat (推奨スペック)
OS | Windows 10 |
プロセッサー | i5-4590 以上 |
メモリー | 8GB メモリ 以上 |
グラフィック | NVidia GeForce GTX 970 以上で NVENC 対応 AMD Radeon 290 以上で VCE 1.0+ 対応 |
スマートフォン | ジャイロスコープを備えたAndroid 5.0以降またはiOS 12.1以降のスマートフォン |
Cardboard ビューワー | Cardboard互換のスマホ用VRビューワー |
接続 | 5GHzWiFi もしくは USB3.0ケーブル |
SteamVR (PC)
Steam内のVR対応ゲーム・ソフトを配信します。ソフトの「 Steam 」に導入されています。基本右上に「VR」の文字がはいっています。無い場合は下記(セットアップの説明)を参照してください。
SteamVR (推奨スペック)
OS | Windows 7 SP1, Windows 8.1 or later, Windows 10 |
プロセッサー | i5-4590/AMD FX 8350 equivalent or better |
メモリー | 4 GB |
グラフィック | NVIDIA GeForce GTX 1060, AMD Radeon RX 480 equivalent |
ネットワーク | ブロードバンドインターネット接続 |
VirtualDesktop (PC)
ヘッドマウントディスプレイ上にPCのDesktopを表示させるソフトです。PCの画面として操作できるので、VRに対応していないゲームや動画サイト、アプリなどを使うことが出来ます。「ストア」から「VirtualDesktop」の購入します。金額については公式の方で確認してください。
VirtualDesktop (推奨スペック)
OS | Windows 10 |
プロセッサー | i5-2500k |
メモリー | 4 GB |
グラフィック | NVidia GTX 760 or 980M 、 ATI Rx 200 |
DirectX | 11 |
ストレージ | 700 MB 利用可能 |
VRidge(Android・iPhone)
「 Riftcat 」 から配信されたスマホで表示させるアプリです。GooglePlayまたはAppleStoreで無料で入手できます。
セットアップの説明
1. Riftcat(PC) をダウンロードしてインストール
インストーラを立ち上げて、インストールします。

2. SteamVR をセットアップ
Steamの検索から「STEAM VR」で検索して「ゲームをプレイ」をクリックすればセットアップされます。

3. VRidge(Android・iPhone) ダウンロード してRiftcat(PC) から接続方式(Wi-FiまたはUSB)を選択します。
「3」でVRidge(Android・iPhone) ダウンロードしていない場合はここでもダウンロード出来ます。 スマホ側でVRidge(Android・iPhone) をダウンロードセットアップして立ち上げます。接続はWi-FiまたはUSBで接続できます。Wi-FiでカクつくようであればUSBで接続します。(USBオススメ)
スマホが認識されていれば Riftcat(PC) の方に認識されたスマホのOS名が表示されます。

4. SteamVR方と接続できたら終了
うまくいかないときは立ち上げる順番を変えてみてください。先に「SteamVR」が立ち上げっているとうまく動かないことがあります。

Riftcat の設定

「1」で各スマホのダウンロードサイトにリンクしています。使用する端末またはOSを選びます。「2」は接続をWi-FiかUSBどちらか選びます。スマホの方で 「VRidge」 を立ち上げるとスマホ名が表示されOKで次の画面へ。2回目以降はアプリ起動で自動で次の画面へ移動します。 「VRidgeの設定」は接続後もできます。

上の「▶」にカサーソルを重ねて「SteamVRを再生します」で SteamVR を立ち上げます。「GameWarp」は Riftcat + GameWarp で購入すると選べるようになります。 GameWarp は非VRGameをヘッドセットで遊べるようにするものです。単体で購入した場合はこの表示はされません。
無料版の場合は左にログインボタンが表示されます。無料版は接続時間は5分で、あらかじめ作ったアカウントで、ログインすればさらに5分追加され計10分接続できます。
「VRidge の設定」で下記の設定が出来ます。

プリセット | ・設定したプリセットを選べます。最高、高、中、低、カスタムの5つが選べます。 |
解像度 | ・解像度は接続先のスマホに合わせて設定します。 |
ガンマ | ・明るさの諧調を調整します。白地に黒色の文字が見えにくい等の 場合はここを調整します |
音声のストリーミング | ・「ON」にすることによって音声がスマホに配信されます。 PC側から音声を出す場合は「OFF」にします。 |
高度な設定 | ※別途下記に |
品質 | ・動作や画質などの品質だと思いますが、わたしの方では特に 感じられませんでした |
高度な設定
ビデオの詳細設定 | |
フレームレート | ネイティブ( FPS60 )、半ネイティブ(FPS30)、 FPS60 から選べます。 FPSは1秒間に何枚の画像で表示されているかの値です。FPS60の場合は 1秒60コマで動いていることになります。(コマ数が多いほどスムーズになります) |
ビットレート | 1秒間に送受信できるデータ量です。高くすると品質が上がりますが、それなりに処理能力も必要になるので、上げすぎると処理落ちの原因になります。 |
レンダリング倍率 | 数値が高いほど画像はなめらかになり、低ければギザギザになります。これも処理能力に 関係してくるので上げすぎには注意です。 |
ストリーミングの オプション | MediaFoundation、NVENC、ソフトウェアの3種、PC・スマホのOSやビデオカードによって変更します。(主に互換性の問題がある場合に変更) |
実験的:HEVC | 視覚品質は向上しますが、高性能のグラフィックカードとスマホが必要です。遅延や処理落ちが発生するようならチェックを外します。 |
ストリーミング モード | キーフレームを優先にするか、処理を優先するか、防止するかの設定です。 |
トラッキングの ソース | 傾きや、回転などのセンサーを使うかの設定です。 |
中央向きリセットのホットキー | 中央向きがおかしくなったとき(動いているうちに中央向きが変わってしまったときなど)にリセットします。 |
トラッキング 予測 | 頭の動きに対して先を予測する時間を設定します。予測時間が長いほど反応は速くなりますが、予測の間違いが多く発生するため、正しい位置に戻すときにちらつきが発生します。 |
SteamVRフェイクセンサー | SteamVR のゲームでトラッキングセンサーが必要なときにONにします。 |
接続時に SteamVR を自動的に起動 | チェックを入れることで起動時に自動的に「 SteamVR 」を立ち上げます。 |
IPD (瞳孔間距離) | 目の距離を設定します。(原文ママ) |
スケール | 画像のズームの強さを設定します。(通常とは異なるレンズに合わせる場合)(原文ママ) |
現状調べてもわからないものもあるのですが、 「高度な設定 」に関しては設定し始めるときりがないので、問題がある場合のみ変更した方がいいです。
SteamVRセットアップと設定
ルームセットアップ
SteamVR を初回に立ち上げたときに「ルームセットアップ」が立ち上がると思いますます。(後でも設定は出来ます)ここでは「立位のみ」のセットアップのみ行います。後で設定をする場合は SteamVR のウインドウ左上から「ルームセットアップ」を選んでください。

スマホで SteamVR を使う前提なので、ここでは「床の位置を決める」のみ設定します。わたしの場合は椅子に座った目の高さぐらいで設定しています。数値に関しては、かなり曖昧にで問題ないようです。

SteamVRの設定
SteamVR 左上→設定から選びます。基本ここの設定は Riftcat のほうの設定とかぶるのと、専用のヘッドマウントディスプレーや付属するコントローラの設定等になるので、スマホ使う形のものではあまり関係ないものもあります。コントローラ以外はデフォルトのままでも動くので問題がある場合に設定したほうがいいです。
一般
モーションスムージング | カクツキを押さえるためフレーム間を補完する機能です。 「ON」にすることで設定します。 |
レンダリング解像度 | デフォルトは「自動」です。解像度が上がると描画はきれいに なりますが処理は重くなります。 |
ダッシュボード位置 | SteamVR内からVRゲームを立ち上げるための「ダッシュボード」の 表示位置の設定です。 |
通知 | 通知の表示設定です。 |
SteamVRを常に手前に表示 | 「ON」にすることでSteamVR を常に手前に表示します。 |
プレイエリア(ルームスケールを設定していなければここは設定しないでOK)
シャペロンスタイル | ルームスーケールで設定した場合の行動(動作)出来る範囲の表示方法の 設定です。 |
色 | 床の境界の色の設定 |
壁の高さ | 壁の高さの設定(m) |
有効化距離 | 有効化距離の設定(m) |
プレイエリアのフロアの色 | プレイエリアの色の設定です。 |
背景 | 背景を設定します。 |
動画
モーションスムージング | 上記と同じコマを補完することで動画の動きを スムーズに見せる機能です。 |
レンダリング解像度 | デフォルトは「自動」です。解像度が上がると描画はきれいに なりますが処理は重くなります。 |
アプリが応答しない時に グリットにフェイドする | アプリが動作しないときの処理です。デフォルトは「ON」 |
アプリケーションごとの動画設定 | アプリケーションごとに設定をする場合はここから選びます。 |
オーディオ
オーディオ出力デバイス | デフォルトは「ヘッドセット」マニュアルにしたい場合は、接続している PCまたは周辺機器からの出力を選びます。 |
オーディオ入力デバイス | デフォルトは「ヘッドセット」に。マニュアルにしたい場合は、接続している PCまたは周辺機器からの入力を選びます。 |
オーディオミラーリング | ヘッドセットとPCまたは周辺機器両方から、入出力したい場合は 「ON」にします。 |
※「コントローラ」と「スタートアップ/シャットダウン」の設定はスマホをVRモニターとして使う場合はここでの設定は必要ないと思われるので省略。
VirtualDesktopセットアップと設定
1. VirtualDesktopをインストール
購入後にSteam→ライブラリ→VirtualDesktopから立ち上げます。デスクトップ上にショートカットが出来ている場合は、そちらからでも立ち上げられます。

設定

1 画面サイズ | 画面サイズを変更します「F2」で縮小「F3」で拡大です。 |
2 画面の明るさ | 画面の明るさを変更します |
3 画面の距離 | ヘッドセット上で表示される画面の距離 |
4 画面の曲線 | 画面に曲線をつけます。 |
5 エンパイトメント | 背景を変更します。背景はワークショップからダウンロード出来ます。 |
6 定位置をリセットする | 定位置をリセットします。リセット時に頭正面が向いている方向が 定位置になります。 |
7 標準設定に戻す | 設定を標準(デフォルト)にもどします。 |
8 画面のオプション | マルチモニター モニタを2画面分にします。 ヘッドロック 画面を固定します。頭を動かしても画面固定のままになります。 透明 デスクトップ(画面)を半透明にする。 地平線にスナップ ※ |
9 3Dオプション | 3Dの表示方式を変更しまします。(上3つはここでは使いません) アナグリフ方式 左右に赤と青のフィルターを表示させる方式 左右を反転させる アナグリフ方式 の赤青を逆にします。 |
10 OpenVRオプション | スーパーサンプリング 画質を向上させる機能※1 MSAA ギザギザをなめらかにする機能※2 境界線を表示する ※ デスクトップに戻る ※ |
11 Windows インテグレーション | ヘッドセットのミラーリング ヘッドセットの画像をPC上のウインドウに表示。 システムトレイに最小化 ※ エラー通知を表示 ※ タッチキーボードを使用して Windowsの起動時に起動する Windows起動時にVirtualDesktopを起動。 |
12 入力オプション | モーションコントロール カーソルを頭の動きに同期させる。 レーザーを表示 カーソルをレーザー表示 レザー点を表示 カーソル位置をレーザー点として表示 回転を無視 カーソルの動きに傾きや回転を反映させない タッチ入力を行う ※ Xboxコントローラ Xboxのコントローラをつけるようにします。 |
※1スーパーサンプリング→表示される解像度より高い解像度で描画して、表示される解像度に落とし込むことで画質を向上させる機能です。処理が重くなります。
※2 MSAA →ドットをなめらかにする(アンチエイリアス)機能です。
処理は確実に重くなっているのですが、どれくらい変化があるかっていうと、あまり感じられない程度です。(表示上あまり変化を感じなければOFFのほうがいいです)
オーディオ
オーディオの設定に関しては、説明などは必要ない感じなので省略します。
バインディング
コントローラ、キーボードのコマンド、ショートカットキーの割り当てです。
ゲームやアプリを使う場合にここでゲームコントローラやキーボードに割り当ててしまうと、VirtualDesktopの入力と使用するソフトウェア、ゲームの入力にかぶって両方入力されてしまうので、専用のコントローラに振り分けるか、OFFにしたほうがいいです。
ゲーム
ここにゲームを登録しておけば、起動できます。ただし非対応ゲームの場合エラーが出ることがあります。(SteamVR上で動かないゲームがあります)
Steamライブラリに登録しているゲームのインストール先はゲーム左クリックで「プロパティ」→「ローカルファイル」→「参照」で見つけられます。
写真
VR対応(360°対応)の写真ファイルをドラッグ&ドロップで表示させることが出来ます。
動画
YouTubeや動画サイトなどVR、立体視対応の動画を登録して再生します。YouTubeは動画をドラッグ&ドロップまたはURLを入力して再生することができます。

立体視のようなものは、表示形式を切り替えます。(画面が左右に分かれているもの等)表示範囲は視野角を調整して見える範囲を変えます。修正後は「定位置をリセット(F4キー押下)」して位置を合わせます。(画面が真っ黒の場合は背面に表示されていることがあります)
まとめ
セットアップから Riftcat 、 VRidge までの設定までを記事にしました。SteamVRとVirtualDesktopの設定に関しては#2のほうで記事にします。設定する部分は多いですが、最低限の設定で基本動きますので、問題がある場合のみ設定をいじる方がいいです。接続方法はWi-FiとUSBの2つですがWi-Fiのほうは推奨スペックを満たしていても、ルータとの距離や角度的なもので変わるので、USBでの接続がオススメです。(ちょっと長めのケーブルを用意する必要がありますが)
ゲーム以外でも動画、WEB閲覧に使用するのは全く問題ない感じですね。思ったよりきれいに表示されます。 VirtualDesktop があればYouTubeなどにあるVR系の動画の視聴も問題なく再生出来ます。
ただしコレで何らかの作業(執筆やグラフィックなど)少し細かい作業はかなり大変ですね。細くて小さい文字に関して読みにくい感じになります。また手元が見えないためキーボード・マウスなどの位置がわかりにくかったりします。飲み物を飲みながらだとほぼ100%の確率でひっくり返します(わたしは3度ひっくり返しました。)
あとはものを見るときの違和感ですね。通常は視線を動かして見る形のものが頭を動かさないと見られないという違和感ですね。長時間だと結構疲れます。とはいえサウンドと合わせた時の没入感はけっこうあります。
最後までご覧いただきありがとうございます。